営業の「忙しい」が売上に繋がらない理由とは?
「ウチの営業は毎日遅くまで残って頑張っている。なのに、なぜか売上が思うように伸びない…」
「便利なITツールを導入して効率化を図ったはずが、営業担当者の『忙しい』は一向に解消されない…」
この状況の根本的な原因は、「努力の量」や「ツールの有無」ではなく、「時間の使い方の本質的な間違い」にあるのです。
この記事では、営業が陥っている「忙しさのワナ」の正体と、契約に直結させるための本質的な考え方をご紹介します。
営業が時間の使い方を間違える2つの理由
情報の非対称性を解消していない
顧客と自社の間にある「情報格差」を埋める活動にこそ、最も時間を使うべきです。顧客が本当に求めていることを知らないまま、的外れな提案や資料作成に膨大な時間を浪費してしまいます。
売り手と買い手の視点の違いを理解していない
売り手(営業)のゴールは「受注」ですが、買い手のゴールは「購買の成功」です。同じ商談の席についていても、両者が見ている景色は全く違います。この構造的な違いを理解せずに行動すると、致命的なすれ違いが生じます。
解決策①:情報の非対称性を解消する4つの行動
「この営業に情報を教えると、自分たちにとって良いことがある」と顧客に感じてもらうことが重要です。
1
お客様の「頭の中」を整理する
漠然としたモヤモヤを「御社の課題はAとBの2点に集約されますね」と整理してあげるだけでも、お客様にとっては明確なメリットです。
2
「カウンター情報」を提供する
情報をもらったら、それ以上の価値ある情報で返します。「この人は私たちの成功を助けてくれるパートナーだ」と感じてもらえます。
3
具体的な「次のアクション」を提言する
「その課題でしたら、まずは〇〇という方法で現状を分析してみるのが有効です」といった、具体的なアクションに繋がる提言をします。
4
お客様の「手間」を少しだけ肩代わりする
「その部分でしたら、私が代わりに調べてまとめておきますよ」と、少しだけ代行してあげる。この「ちょっとした労務提供」は、お客様の心に強く響きます。
これらの行動によって、お客様は「この人に情報を渡せば渡すほど、自分たちが得をする」と学習し、率直な情報を共有してくれるようになります。
解決策②:買い手の視点を学ぶ
売り手と買い手では「戦っている競技種目が違う」という事実を理解しましょう。
売り手(営業)のゴール
提案し、見積もりを出し、ハンコをもらうこと(=受注)
買い手のゴール
適切な相手を選び、導入したサービスで目的を達成すること(=購買の成功)
この違いを乗り越えるには、社内の「買い手」と「売り手」が直接対話する機会を設けましょう。「なぜあの業者に決めたのか?」「どんな情報がありがたかったか?」など、買い手の本音を聞くことで、自社の営業アプローチを見直せます。
この記事が皆さんの営業活動の改善に役立てば幸いです。もし営業チームの生産性向上にお悩みでしたら、ぜひこの記事をシェアして、チーム全体で時間の使い方を見直してみてください。